【BtoB企業の成約率UP】事例インタビューの重要性と作成のコツ
「アポは取れるのに、契約に繋がらない」
「商談では良い反応を得られても、最終的に選んでもらえない」
「価格で負けることが多く、自社の価値が伝わっていない気がする」
そんな悩みを抱えるBtoB企業は少なくありません。
これらの原因の多くは、“信頼の証拠”が不足しているという共通点があります。
どれほど優れたサービスでも、初めて取引する相手にとって、
「本当に成果が出るのか?」
「他社はどうだったのか?」
という不安はつきものです。
その不安を解消し、信頼を獲得するために最も効果的な手段が事例インタビューです。
本記事では、弊社がこれまで数多くの企業と取り組んできた事例制作の経験をもとに、
「成果につながる事例インタビュー」の作り方と活用法を、詳しく解説します。
- なぜBtoB企業に事例インタビューが必要なのか
- 成果につながる事例インタビューの設計・実施・編集のポイント
- クライアントに協力してもらうための依頼のコツと準備事項
- インタビューを営業・マーケ・社内活用に展開する方法
それでは本編です。
なぜ事例インタビューが必要なのか
BtoBビジネスでは、製品やサービスの導入にかかるコストが高く、導入リスクも大きいため、意思決定に時間がかかります。
そのため、他社の事例は信頼できる安心材料になります。
実際の導入企業の声を紹介することで、「自社も同じように成果を得られるかもしれない」と具体的なイメージを持ってもらえるのです。
企業は常に自社と似た事例を探しています。同じ業界・規模・課題を抱える企業の成功事例は、意思決定の後押しとなるだけでなく、問い合わせや見積もり依頼への導線にもなります。

このように、販促が複雑なBtoBビジネスにおいて、事例インタビューは営業ツールとして非常に有効です。
事例インタビューを活用するメリット
- 信頼性の向上
- 差別化の明確化
- 社内の営業・マーケ戦略への活用
1.信頼性の向上
自社発信ではなく、第三者の言葉で語られることで、商品・サービスの客観的な信頼が生まれます。実名・顔写真付きのインタビューは、匿名の口コミよりも高い信憑性を持ちます。
2.差別化の明確化
事例インタビューでは、自社の強みや価値を顧客視点で伝えることができます。自社では気づかなかった魅力が明確になり、競合との差別化にもつながります。
3.社内の営業・マーケ戦略への活用
顧客へのインタビューを行うことによって、「どのような顧客が自社を評価しているのか」「なぜ選ばれているのか」を整理し、そこで得られた情報を営業・マーケティング戦略にも活用することができます。
事例インタビュー活用しないデメリット
逆に、事例インタビューを作成しない場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
- 顧客の不安を解消できず、導入に至らない
- 価格競争に巻き込まれやすくなる
- 顧客の声を活かす機会を逃す
1.顧客の不安を解消できず、導入に至らない
具体的な成功例がないと、見込み客は導入後のイメージを具体的に描けず、不安を払拭できません。
その結果、商品・サービスに興味を持っていても、最終的な導入決定には至らない可能性が高くなります。
2.価格競争に巻き込まれやすくなる
事例インタビューは、商品・サービスがもたらす具体的な付加価値を伝える最良の手段です。導入事例がなければ、価格や機能スペックといった表面的な要素で他社と比較せざるを得なくなります。
自社製品が持つ独自の価値や、導入による具体的なメリットが伝わらないため、結果として価格競争に巻き込まれやすくなってしまいます。
3.顧客の声を活かす機会を逃す
事例インタビューを実施するプロセスは、単に記事を作るためだけではなく、既存顧客から製品やサービスに対する「生の評価」をヒアリングする絶好の機会でもあります。
「なぜ自社を選んでくれたのか」
「どの点に満足しているか」
「逆に改善してほしい点はないか」
といった貴重なフィードバックは、製品改善やマーケティング戦略の立案、さらには顧客満足度の向上にも繋がる重要な資産です。
インタビューを行わないということは、こうした自己改善のヒントを得る機会を失っていることにもなります。
成果につながる事例インタビューの「3つの設計ポイント」
事例インタビューは、ストーリー性のある構成を意識することで、読みやすく、共感しやすいコンテンツにすることができます。
1.ストーリー性のある構成
ストーリー性のある構成を意識することで、読みやすく、共感しやすい事例インタビューを作成することができます。
理想的な構成は以下の通りです。

- 導入前の課題(なぜ導入したのか)
- 検討プロセス(どうして選んだのか)
- 導入の成果(どんな成果が得られたのか)
- 今後の展望(これからどう活かしていくのか)
また、はじめに「導入前の課題」と「成果」をサマリーとしてまとめることで、ターゲットの関心を引きやすくなります。
2.リアルな本音を引き出す
事例インタビューの魅力は「第三者視点でのリアルな本音」にあります。
以下のような質問を盛り込むことで、よりリアルなコンテンツに仕上がるでしょう。
- 導入時に不安だったこと
- 使ってみてわかった意外な効果
- 社内での反応や変化
- 今だから話せる裏話
顧客目線のリアルなエピソードは事例インタビューならではのコンテンツで、共感を生みやすいです。
さらに、成功体験だけでなく、改善点を正直に言葉にしてもらえると誠実さが伝わり、信頼性も向上させられるでしょう。また、「本音」を引き出すには、インタビュアーの共感と信頼関係づくりが不可欠です。
3.写真の活用
顔が見える情報はコンテンツの信頼性を大きく高めます。
事例インタビューに掲載する写真を工夫するだけでも、コンテンツの印象がぐっとよくなります。

また、顧客の表情からは、企業との関係性も垣間見ることができます。写真によって、顧客との良好な関係性をアピールすることもできるでしょう。
- リラックスできる環境づくり(雑談・柔らかい照明・背景の工夫)
- 撮影前に「どんな写真を使うか」を共有して安心感を持ってもらう
可能であればプロのカメラマンに依頼し、コンテンツ全体の品質を高めましょう。
成果につながる事例インタビューの完全ガイド
ここでは、インタビューの実施の流れと各工程のコツについて解説します。
事例インタビューの作成には、クライアントの協力が必要不可欠です。担当者に時間を割いてもらうためには、依頼の仕方を工夫する必要があります。
今回は、事例インタビューに協力してもらうための依頼のコツを3つ紹介します。
- クライアントにとってのメリット提示
- クライアントの負担を減らす工夫
- お願いするタイミング
1.クライアントにとってのメリット提示
事例インタビューは、単なる情報提供にとどまらず、自社のPRや採用ブランディングに活用できる大きな機会です。

例えば「貴社の優れた取り組みや企業文化を、当社のWebサイトで広く発信することで、採用や認知度向上に貢献させてください」と伝えることで、ブランディング活動の一環としての価値を強調できます。
2.クライアントの負担を減らす工夫
事例インタビューに協力いただく際、クライアントが最も懸念するのは「手間」と「時間」です。
そこで、所要時間を明確に伝え(例:「インタビューは1時間程度で完了します」)、心理的ハードルを下げましょう。
さらに、対面だけでなくZoomやGoogle Meetなどのオンライン取材の選択肢を提示することで、移動や場所確保の負担を軽減できます。
加えて、事前に質問の骨子を共有しておくと安心して準備ができ、原稿公開前に必ず確認・修正が可能である旨を伝えることで「意図しない内容を書かれないか」という不安も解消できます。
3.お願いするタイミング
クライアントにインタビューを依頼する際は、承諾率を高めるためにタイミングを見極めることが重要です。
最も効果的なのは導入後3〜6ヶ月です。
成果を実感し始めつつ導入前の記憶も新しいため、熱量の高い話を聞ける時期です。また、決算期や年末調整などの繁忙期を避け、相手の都合を最優先する姿勢を示すことで信頼につながります。
そこで、こうした依頼や準備を「手間なく」「ミスなく」進めていただけるよう、本記事のノウハウを詰め込んだテンプレート3点セットをご用意しました。
- コピペでOK!依頼メールテンプレート
- 当日そのまま使える質問ヒアリングシート
- ミスを防ぐ事前準備チェックリスト
以下のフォームから無料でダウンロードできますので、記事の続きを読み進める前に、ぜひ手元にご準備ください。
※1分以内に自動返信メールでダウンロードURLが届きます。
インタビューの事前準備
ここからは事前準備しておくべきことについて紹介します。
インタビューの成否は事前準備でほとんど決まると言っても過言ではありません。
当日のヒアリングの質を高め、トラブルを防ぐために、しっかり準備を行うことが大切です。
以下の項目を最低限確認し、万全の体制で臨みましょう。
- 想定質問リストを用意
- 録音・撮影機材の動作確認
- 撮影構図と背景の検討
1.想定質問リストを用意
ストーリー構成に沿って質問を設計しておきましょう。
例
「導入前の課題」
「比較検討の経緯」
「導入の決め手」
「導入後の効果」
「今後の展望」 など
時間配分をシミュレーションしておくことも重要です。
例
導入5分
課題10分 など
2.録音、撮影機材の動作確認
- ICレコーダー(電池残量・空き容量の確認)
- カメラ(バッテリー・SDカードの予備を準備)
- オンライン取材(zoom録音設定・PC充電・マイクテスト)
3.撮影構図と背景の検討
対面なら→オフィス内の撮影場所を事前に選定(光・背景・騒音など)
オンラインなら→相手の背景が乱雑でないか、自社のバーチャル背景が適切かを確認
実際のインタビューで活かせる3つのテクニック
ここからは実際のインタビューで活かせるテクニックを紹介します。
- インタビュー中の雰囲気づくりで本音を引き出す
- 回答を深掘りする
- 認識確認と感謝で信頼を築く
当日は準備した質問リストに固執しすぎず、相手の話の流れを最優先し、「本音」や「具体的なエピソード」を引き出します。
事前に準備した質問に沿って、以下のテクニックを意識しましょう。
1.インタビュー中の雰囲気づくりで本音を引き出す
インタビューでは、相手がリラックスして話せる環境を整えることが重要です。
まずは軽い雑談を交えたアイスブレイクで場を和ませましょう。緊張がほぐれることで、より率直な意見や本音を引き出しやすくなります。
さらに、本題に入ってからは聞き役に徹し、「なるほど」「そうなんですね!」といった適切な相槌や共感を挟むことで、相手が安心して話しやすいペースを作ることができます。
2.回答を深掘りする
良いインタビュー記事の鍵は「具体的なエピソード」です。回答が抽象的だったり、一般的な内容に留まったりした場合は、回答された内容をさらに深掘りします。
具体的な回答を得るには、「オープンクエスチョン」をすることが重要です。
「はいorいいえ」で終わらない質問をして、会話を発展させましょう。
× クローズドクエスチョン:「満足していますか?」
○ オープンクエスチョン:「導入後、どのように業務が変わりましたか?」
また、数値・感情・エピソードを交えることで、人間味があり説得力のある物になります。
数値:「何割くらい削減できましたか?」「金額にすると、どの程度ですか?」
感情:「導入を決めたとき、率直にどう思われましたか?」
エピソード:「たとえば、どんな状況でしたか?」
3.認識確認と感謝で信頼を築く
インタビュー中、話の節目でこちらの理解を要約して確認することで、以下の効果が得られます。
- 認識のズレを防げる
- 相手に「ちゃんと聞いてくれている」という安心感を与えられる
例:「つまり、Aという課題を解決するために、Bという施策を打ったということですね?」
→このような言い換えを挟むことで、話の流れが整理され、記事化の精度も高まります。
さらに終了時には、貴重な時間をいただいたことへの感謝を改めて伝えましょう。
そのうえで、今後の流れや原稿確認の時期を丁寧に案内することで、相手を不安にさせず、信頼関係を強めることができます。
「離脱されない」4つの編集テクニック
インタビューでどれだけ良い話が聞けても、記事が読まれなければ成果には繋がりません。最後まで読んでもらうために必要なのが、編集テクニックです。
- 話し言葉を読みやすく整える
- 内容を見出しごとに整理する
- 重要部分を太字・引用で強調する
- 写真やグラフを適度に配置する
1.話し言葉を読みやすく整える
録音した音声をそのまま文字起こしすると、「えーっと」「あのー」といった不要な言葉や、冗長な「〜でして、〜ですね」といった表現が多く、読みにくくなってしまいがちです。
これらを削除・整理し、意図を変えない範囲で、簡潔な書き言葉に整えます。
2.内容を見出しごとに整理する
インタビュー中は時系列が前後したり、話が脱線したりすることも多々あります。
それらを「導入前の課題」「導入の決め手」「導入後の具体的な効果」といった、読者が知りたい情報のブロック(見出し)ごとに再構成し、論理的な流れを作ります。
3.重要部分を太字・引用で強調する
記事全体を熟読しなくても概要が掴めるよう、最も伝えたい成果や、担当者の印象的な言葉を太字にしたり、強調したりしてデザイン的に目立たせたりします。
4.写真やグラフを適度に配置する
テキストばかりのインタビュー記事は、読者が離脱しやすくなってしまいます。
インタビューの笑顔の写真、オフィスの風景、会話の様子、成果を示すグラフなどを記事中に適度に配置すると、視覚的に情報を補完するとともに、“読むストレス”を軽減することができます。
読者の離脱を防ぐ3段階構成
ここで、Dockで実際に使用している読者の離脱を防ぐ構成を紹介します。

- 見出しで記事の全体像を提示
- 要約でポイントを整理
- 本文で詳細を展開
Dockでは、上記のように読者が途中で離脱しないよう、【見出し→要約→本文】という3段階構成を意識しています。
事例インタビューの質問テンプレート
ここでは、実際のインタビューで活用できる質問のテンプレートをご紹介します。
【導入前】課題と背景を深掘りする
- どのような課題を抱えていらっしゃいましたか?
- 導入を検討し始めた具体的なきっかけは何でしたか?
▶目的:読者が「自分も同じ課題を抱えている」と共感しやすくなる
【選定理由】比較検討と決め手を聞く
- 他に検討された商品・サービスはありますか?
- 最終的に当社の商品・サービスを選んでいただいた決め手は何でしたか?
- 導入を決定するにあたり、不安や懸念点はありましたか? もしあれば、それをどのように解消されましたか?
- 導入を決定する際、社内の反応はいかがでしたか?
▶︎目的:競合との差別化ポイントや信頼性を伝える
【導入後】効果と変化を具体化する
- 導入後、最も大きく変化した点は何ですか?
- どんな効果がありましたか?
- 社内や貴社のお客様からの反応はいかがでしたか?
▶︎目的:成果や満足度をリアルに伝える
【今後の展望】未来への期待を引き出す
- 今後、当社の商品・サービスをさらにどのように活用していきたいとお考えですか?
- 当社のサービスを、他社(あるいは同じ課題を持つ企業)に勧めるとしたら、どの点をアピールされますか?
- 最後に、当社への今後の期待や要望があればお聞かせください。
▶︎目的:継続利用や信頼関係の深さを示す
ぜひインタビューする際の参考にして頂けたら幸いです!
【無料配布】明日から使える「お客様インタビュー」テンプレート3点セット
事例インタビューは、企業の信頼を高め、見込み客の不安を解消する最も有効なコンテンツです。
とはいえ、
「クライアントになんて依頼すればよいかわからない」
「既存の事例インタビューの質を高めたいけれど、改善点がわからない」
という方もいらっしゃるかと思います。
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- コピペでOK!依頼メールテンプレート
- 当日そのまま使える質問ヒアリングシート
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